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2025.06.20

旅の記憶をそっと灯す、器との出会いー京都「器や彩々」で体験する静かな豊かさ

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旅の記憶をそっと灯す、器との出会いー京都「器や彩々」で体験する静かな豊かさ

旅先で何気なく手にしたお土産や生活の道具が、日常に戻ってからも旅の記憶をそっと呼び起こしてくれることがあります。

中でも「器」は、日々の暮らしの中で自然と触れる機会の多い存在。使うたびにその土地の空気や出会いが蘇り、食卓に豊かさを添えてくれます。 京都市中京区にある「器や彩々」は、そんな日々に寄り添う器を届けているお店。

築90年を超える京町家を改装した空間には、全国の陶芸作家による器が並びます。静かな佇まいながら、作り手の熱い想いが息づく空間には、毎日の食卓を彩る器との出会いが待っています。

作家の想いが込められた器たち

リフォームされた京町家の趣と調度品が心地よく調和した空間

リフォームされた京町家の趣と調度品が心地よく調和した空間

店内に並ぶのは全国の陶芸作家が想いを込めて作った作品たち。絵付けが愛らしいものや、思わず手に取って眺めたくなる形のものなど、一つひとつに作家の個性が宿ります。

期間限定で開かれる個展には、全国各地から器好きが訪れるほど。空間全体を通して1人の作家の作品に囲まれる個展では、作り手の世界観にじっくりと触れる時間が流れます。

坪庭を望む喫茶スペースは、一緒に来店する方もくつろげる場所として設けられている

坪庭を望む喫茶スペースは、一緒に来店する方もくつろげる場所として設けられている

奥にはカフェスペースも併設。一人でじっくり選ぶ人も、誰かと器を囲んで話す人も、それぞれが心地よく過ごせるような空間が整っています。

世界観ごとまるっと愛せるかどうか

形や質感がさまざまな個性ある器たちを丁寧に並べていく鶴田さん

形や質感がさまざまな個性ある器たちを丁寧に並べていく鶴田さん

取り扱う作品を選んでいるのは、店主の鶴田美和(つるた みわ)さん。

「一つの作品だけを見て判断するのではなく、作家さんの世界観ごと好きになれるかどうかを大切にしています。」

そう話す鶴田さんが器を選ぶ際に大事にしているのは、“直感”。整いすぎておらず少しいびつな形のものや、遊び心を感じる手捻り(てびねり)で作られた作品に強く惹かれると言います。

各地の陶器市に自ら足を運び、作家本人と実際に会って言葉を交わしながら、店に並べる器を1点ずつ決めているとのこと。そんな丁寧なプロセスを経て棚に並ぶ器たちからは、手仕事ならではの温かみと作り手の作品への愛情が伝わってきます。

「器を通して作り手のこだわりや製作背景も伝えていきたい。」と、語る鶴田さん。どんな土地で、どんな人の手によって、どんな工程を経て生まれたものなのか。背景を知ることで、器を選ぶ時間そのものが、感性と向き合うひとときに変わっていきます。

好きだから続けてこられた。一歩ずつ積み重ねた歩み

店先に飾られている看板

店先に飾られている看板

全国約50名の陶芸作家とつながりを持つ「器や彩々」。その始まりは鶴田さんが立ち上げたオンラインショップからでした。会社員として働きながら、全国の陶器市を巡って少しずつ作家との関係を築いていった鶴田さん。

やがて「作品を直接見て手に取って選んでほしい。」という想いが強くなり、実店舗を開くことを決意。 長年暮らしてきた京都という土地は、自然と店を構える場所として心に浮かんだと語ります。

最初は繁華街にあるビルの2階に実店舗をオープン。その5年後、展示会と常設販売を両立できる場所を探していた中で、築90年を超える京町家と出会いました。できる限り古い素材や柱、梁(はり)を活かしながら丁寧にリノベーション。町家ならではの落ち着きと温かみを残した店舗を作り上げました。

大谷桃子(おおたに ももこ)さん作の青ハスの花と黒ハスの花のマグカップ

大谷桃子(おおたに ももこ)さん作の青ハスの花と黒ハスの花のマグカップ

そして開店1周年の節目に初めて作家に焦点を当てた個展を開催。この個展がきっかけとなり訪れる人が増え、15年に渡りお店を続けています。

「無理をせず好きなことを続けてきただけなんです。」と、静かに語る鶴田さん。肩ひじ張らずに積み重ねてきた時間が、「器や彩々」の今を優しく支えています。

旅先で出会う器が、暮らしの中で思い出を映す存在に

阿部慎太朗(あべ しんたろう)さん作の檸檬をモチーフとしたリム皿やボウル

阿部慎太朗(あべ しんたろう)さん作の檸檬をモチーフとしたリム皿やボウル

「お客様には楽しみながら直感で『好き』と思えるものを手に取ってもらいたいです。」と、最後に語ってくれた鶴田さん。

全国の陶芸作家の想いとともに、丁寧に選ばれた器が並ぶ「器や彩々」。旅の途中で器と出会い、その背景や世界観に心を預ける時間は、記憶に残る体験の一つになるはずです。

持ち帰った器は旅の余韻をそっと映し出しながら、ふとした瞬間に旅先での情景を思い出させてくれるかもしれません。


器や彩々
電話:075-366-3643
住所:京都府京都市中京区三条大宮町263-1 
アクセス:阪急京都線「大宮駅」から徒歩5分、JR嵯峨野線「二条駅」から徒歩12分 
HP:https://saisai-utsuwa.com/ 
SNS:https://www.instagram.com/kyoto_saisai/ 

*営業時間や定休日についての詳細は、直接店舗にご確認ください。